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AWS Migration Hub と 7R移行フレームワーク

移行戦略の選定基準(7R)と、Migration Hubによる移行進捗の一元管理を解説します。

最終更新: 2026-07-28 カテゴリ: 移行計画の策定

大規模な移行プロジェクトを成功させるには、すべてのワークロードに同じ移行方式を 機械的に適用するのではなく、それぞれの特性に応じた戦略を選択する必要があります。 本記事では、その判断フレームワークである7Rを解説します。

SAA レベル:基礎概念

7Rの基本

戦略内容
Rehost(リホスト)「リフト&シフト」。変更を加えずそのままAWSへ移行
Replatform(リプラットフォーム)軽微な最適化を加えて移行(例: DBをRDSに変更)
Refactor(リファクタリング)アーキテクチャを再設計してクラウドネイティブ化
Repurchase(リパーチェス)SaaS製品へ乗り換える
Retire(リタイア)不要なシステムを廃止する
Retain(リテイン)現状のまま維持(移行しない)
Relocate(リロケート)VMwareなどの仮想化基盤ごとAWSへ移行(VMware Cloud on AWS等)

SAA 試験のポイント

移行の初期段階で最も速く多くのワークロードを移行できるのは**Rehost(リホスト)**です。「まずクラウドに移行してから、後で最適化する」という段階的アプローチの第一歩として位置づけられる点がSAAで頻出します。

AWS Migration Hubの基本

  • 複数の移行ツール(DMS、Application Migration Service等)を横断して、移行の進捗状況を一元的に追跡できるダッシュボード

SAP レベル:高度な設計シナリオ

戦略選定の判断基準

SAP 試験のポイント

SAPレベルでは、単に7Rの定義を知っているだけでなく、ビジネス上の制約(移行期限、予算、社内のクラウドスキル成熟度)から適切な戦略を選ばせるシナリオが頻出します。「移行期限が3ヶ月と非常に短い」→Rehost優先、「長期的なTCO削減とスケーラビリティが最重要」→Refactorを検討、「ライセンスコストの高い商用ソフトウェアを使っている」→Repurchase(SaaS化)を検討、という判断軸が問われます。

判断フロー(簡略化) このワークロードは今後も必要か? → No → Retire │ Yes クラウド化のメリットが薄いか(規制等)? → Yes → Retain │ No SaaS代替が存在するか? → Yes → Repurchase │ No 時間的制約が厳しいか? → Yes → Rehost(後で最適化) │ No 長期的な投資対効果が見込めるか? → Yes → Refactor / Replatform

段階的な戦略の組み合わせ(Rehost → Replatform → Refactor)

SAP 試験のポイント

実務では、7Rは排他的な選択ではなく、時間軸で組み合わせることが一般的です。まずRehostで迅速にクラウドへ移行し(移行リスクを最小化)、その後運用しながらRDSへの移行等のReplatformを行い、最終的に余力ができた段階でマイクロサービス化等のRefactorに着手する、という段階的なモダナイゼーションロードマップの設計がSAPレベルで問われます。

設計上の落とし穴

「クラウド移行なのだから、最初から理想的なクラウドネイティブアーキテクチャ(Refactor)を目指すべき」という判断は、移行プロジェクト全体のリスクと期間を増大させることが多く、SAP試験では必ずしも正解になりません。移行の緊急性、チームのスキル、ビジネスリスクを踏まえ、段階的なアプローチを提案することが、より実務的で試験でも評価される判断です。

Migration Hubによる複数移行ツールの統合管理

  • DMS(データベース移行)、Application Migration Service(サーバー移行)など、異なるツールで進行する移行タスクを、Migration Hub上でアプリケーション単位にグルーピングして進捗を一元的に可視化できる
  • 大規模移行プロジェクトでは、数百〜数千のサーバー移行状況を個別に追跡するのは非現実的であり、この一元管理が不可欠になる

まとめ

  • SAA: 7Rの基本的な定義、Rehostが最も迅速な移行手段であることを理解する。
  • SAP: ビジネス制約に応じた戦略選定、段階的な移行ロードマップの設計、Migration Hubによる統合進捗管理ができる。

次は **Application Discovery Service(移行評価)**を見ていきましょう。