購入オプション見直し — RI・Savings Plansの継続的最適化
利用実績に基づく再購入提案、カバレッジ・利用率レポートの読み方を解説します。
1-5・2-5で解説したRI/Savings Plansの購入戦略は、一度決めたら終わりではありません。 既存システムの利用状況は時間とともに変化するため、継続的な見直しが コスト改善戦略の重要な柱になります。
SAA レベル:基礎概念
利用率とカバレッジという2つの指標
| 指標 | 意味 |
|---|---|
| 利用率 (Utilization) | 購入したRI/Savings Plansのうち、実際に使われた割合 |
| カバレッジ (Coverage) | 全体の利用量のうち、RI/Savings Plansで割引が適用された割合 |
SAA 試験のポイント
利用率が低い(購入した分を使い切れていない)状態は「過剰な購入」、カバレッジが低い(多くがオンデマンド料金のまま)状態は「購入不足」を意味します。この2つの指標を理解することがSAAの前提知識です。
SAP レベル:高度な設計シナリオ
カバレッジ・利用率レポートの読み方
SAP 試験のポイント
Cost Explorerの「RIカバレッジ」「Savings Plansカバレッジ」レポートを定期的に確認し、利用率が95%を下回っている場合は購入し過ぎ、カバレッジが70%を下回っている場合は追加購入を検討する、といった具体的なしきい値に基づく継続的な見直しサイクルがSAPレベルで問われます。単発の購入判断ではなく、四半期ごと等の定期レビューとして運用に組み込むことが重要です。
ワークロードの変化に応じた見直し
SAP 試験のポイント
既存システムがアーキテクチャ変更(EC2からFargateへの移行、インスタンスファミリーの変更等)を経ると、既存のRI/Savings Plansが新しい構成に適用されなくなる可能性があります。特にEC2 Instance Savings Plansは特定のインスタンスファミリーに固定されているため、大規模なインスタンスファミリー変更を伴うリファクタリングの際は、より柔軟なCompute Savings Plansへの切り替えを事前に検討するという判断がSAPで問われます。
設計上の落とし穴
「一度購入したRI/Savings Plansは満期まで放置してよい」という判断は、ワークロードの変化に対応できず、コスト効率を悪化させ続けるリスクがあります。SAPでは、満期のタイミングを事前に把握し、その時点でのワークロード予測に基づいて次の購入計画を立てる、というプロアクティブな運用が問われます。
RIの売却という選択肢
- Standard RIには、AWS Marketplaceで未使用のRIを売却できるという仕組みがある(Convertible RIは対象外)
- ワークロードの大幅な変化でRIが不要になった場合、単に無駄にするのではなく、売却によって一部コストを回収する選択肢もSAPレベルの実務知識として押さえておく
Savings Plansの段階的な積み増し戦略
- 一度に大きな金額をコミットするのではなく、利用実績の推移を見ながら小口で段階的に追加購入していくことで、コミットメントに伴うリスクを分散する運用アプローチも実務でよく使われる
まとめ
- SAA: 利用率とカバレッジという2つの指標の意味を理解する。
- SAP: しきい値に基づく定期レビューサイクル、ワークロード変化に応じたプラン切り替え、RI売却という選択肢を踏まえた継続的最適化ができる。
次は ストレージ階層見直しを見ていきましょう。