未使用リソースの特定・削減 — 継続的なコスト棚卸し
未アタッチEBS・未使用EIPなどの棚卸しと、自動削除の仕組み化を解説します。
既存システムの運用が長期化するほど、使われなくなったリソースが放置され、 気づかないままコストだけが発生し続けるケースが増えていきます。本記事では この「コストの見えない漏れ」を防ぐ継続的な棚卸しの仕組みを解説します。
SAA レベル:基礎概念
典型的な未使用リソースの例
| リソース | 未使用になる典型的なパターン |
|---|---|
| EBSボリューム | インスタンス削除後もボリュームだけが残る(未アタッチ) |
| Elastic IP | インスタンスにアタッチされていないEIP(アタッチされていないと課金対象) |
| ロードバランサー | バックエンドのターゲットが存在しない、または利用者ゼロ |
| スナップショット | 保持期限が過ぎても削除されず蓄積し続ける |
SAA 試験のポイント
Elastic IPは、インスタンスにアタッチされている間は無料ですが、未アタッチの状態や、停止中のインスタンスにアタッチされている場合は課金対象になります。この課金条件の違いがSAAで頻出します。
Trusted Advisorによる検出
- Trusted Advisorのコスト最適化カテゴリで、未使用のEBS、EIP、低使用率のEC2/RDSインスタンスなどを自動的にリストアップできる
SAP レベル:高度な設計シナリオ
継続的な棚卸しの自動化
SAP 試験のポイント
月次でTrusted Advisorのレポートを手動確認するだけの運用では、発見から対応までにタイムラグが生じ、その間もコストが発生し続けます。SAPレベルでは、AWS Config RulesやLambdaを使い、「作成から一定期間経過後もアタッチされていないEBSボリューム」を自動検出し、担当者への通知、または自動的にスナップショットを取得した上で削除する、という自動化されたライフサイクル管理が問われます。
タグを活用した所有者の特定と削除フロー
SAP 試験のポイント
未使用リソースを発見しても、「誰が作成したか分からず、削除して良いか判断できない」というケースが実務では頻発します。SAPレベルでは、タグ戦略(1-4で解説)を徹底し、すべてのリソースにOwnerタグを必須化しておくことで、未使用リソース発見時に迅速に所有者へ確認・削除承認を得られるフローを構築することが、削減サイクルの実効性を高める鍵になります。
設計上の落とし穴
「未使用に見えるリソースは即座に削除する」という運用は危険です。一時的に停止しているだけの災害復旧用リソースや、低頻度だが重要なバッチ処理でのみ使われるリソースを誤って削除してしまうリスクがあります。SAPでは、即時削除ではなく、猶予期間を設けた通知→承認→削除というプロセスを設けることが、安全なコスト削減運用として問われます。
開発・検証環境の自動停止スケジューリング
- 本番環境ではない開発・検証環境のEC2/RDSインスタンスについては、業務時間外(夜間・週末)に自動的に停止するスケジュールをLambda + EventBridgeで組み、コストを削減する運用が一般的
- AWS Instance Schedulerのようなソリューションを活用することで、この仕組みを迅速に構築できる
まとめ
- SAA: 未使用リソースの典型例、EIPの課金条件の違いを理解する。
- SAP: Config Rules+Lambdaによる継続的な自動検出・削除フロー、タグによる所有者特定、猶予期間を設けた安全な削減プロセスの設計ができる。
次は **購入オプション見直し(RI/Savings Plans最適化)**を見ていきましょう。