Cost Explorer と Cost and Usage Report (CUR) によるコスト分析基盤
Cost Explorerでのコスト異常検知から、CURを用いた詳細分析基盤の構築(Athena連携)、予測機能の活用までを解説します。
コストを最適化する第一歩は「今どこにいくら使っているか」を正確に把握することです。 本記事では、可視化ツールであるCost Explorerと、詳細分析の土台となる Cost and Usage Report (CUR) を解説します。
SAA レベル:基礎概念
Cost Explorerの基本機能
- 過去のコスト・使用量をグラフで可視化するコンソールツール
- サービス別、アカウント別、タグ別などのディメンションでフィルタ・グループ化が可能
- 将来のコストを予測する予測機能 (Forecast) を持つ
SAA 試験のポイント
Cost Explorerはコンソール上での可視化・簡易分析に特化したツールです。より詳細な行レベルのデータ(時間単位の使用量、リソースID単位の内訳等)が必要な場合は、CURを利用する必要があります。
CUR (Cost and Usage Report) の基本
- AWSの利用状況を最も詳細な粒度で出力するレポート。S3バケットに定期的にCSV/Parquet形式で出力される
- リソースID単位、時間単位でのコスト内訳、適用された割引(RI/Savings Plans)の詳細まで含まれる
SAP レベル:高度な設計シナリオ
CURを用いた詳細分析基盤(Athena連携)
SAP 試験のポイント
CURのデータをS3に出力するだけでは、大量の生データを人手で分析するのは困難です。SAPレベルでは、CURをAthenaでクエリ可能な形式(Parquet + Glueデータカタログ)で出力し、SQLで柔軟に分析する基盤を構築するのが定石です。QuickSightと組み合わせてダッシュボード化するパターンも頻出します。
コスト異常検知
- AWS Cost Anomaly Detectionを使うと、機械学習により通常のコストパターンから逸脱した使用量を自動検知し、SNS等で通知できる
- 特定サービスやアカウント単位でモニター(Cost Monitor)を作成し、異常発生時に担当チームへ即座にアラートする設計がSAPで問われる
設計上の落とし穴
「毎月のコストレポートを人手で目視確認すれば十分」という運用は、大規模組織ではスケールしません。SAPレベルでは、Cost Anomaly Detectionによる自動検知や、CUR+Athenaによる継続的なクエリベースの監視など、能動的かつ自動化されたコスト監視体制の構築が問われます。
マルチアカウント環境でのCUR集約
- 組織全体のCURは、管理アカウント(または委任された会員アカウント)で一元的に生成・集約できる
- 各アカウント単位のコストだけでなく、タグ別・OU別に横断的な分析を行うことで、部門別のコスト説明責任(チャージバック)を実現する
予測機能の活用
- Cost Explorerの予測機能は、過去の利用パターンに基づいて将来(最大12ヶ月)のコストを予測する
- 予算策定や、Savings Plansの購入判断(今後の利用量の見込みに基づくコミットメント額の決定)に活用される
まとめ
- SAA: Cost Explorerが可視化・簡易分析、CURが詳細な行レベルデータの提供という役割分担を理解する。
- SAP: CUR+Athena+QuickSightによる分析基盤の構築、Cost Anomaly Detectionによる自動検知、組織横断でのチャージバック設計ができる。
次は Savings Plans・リザーブドインスタンス戦略を見ていきましょう。